現在、多くのアスリートに指導していますが、膝の障害はかなり多いです。
特に前十字靭帯断裂をする率がかなり高いのです。
しないに越したことはないのですが、受傷してしまった方のリコンディショニングの参考になればと思い、この記事をシリーズで書いています。
前回の記事はこちら
前回、膝関節の縦の動き(屈曲動作)が、かなり出来るようになった所まで紹介しました。
この座る立つという動作は、普段の生活の中でも、ほとんど問題が無くなったようです。
ただ、歩き出しの時など、特に方向転換をするときに、関節に回旋系の負荷がかかると、膝の内側にピキッと音がして痛みが走るとの事でした。
状態を見させて頂いた所、やはり膝を庇って普段の生活をしている為に、膝周りの筋肉の弱化がかなり見受けられました。
特に内側広筋が弱化している為に膝蓋骨が外側に流れてしまい、膝関節の機能全体を衰えさせている状態でした。
内側広筋の強化(筋トレ)をする為には、オープンキネマティックで行わなければなりません。
いわゆる、足が宙に浮いている状態でのトレーニングが必要になります。
内側広筋は、足が地面に着いている状態では働かない筋肉なのです。
しかも、股関節が外転屈曲外旋位で、膝関節のエクステンションの終動時にのみ働く筋肉なのです。
ですので、通常のレッグエクステンションでは、鍛える事が出来ません。
ゴムバンド等を使い、この様な体勢でトレーニングを行います。
内側広筋は!大腿四頭筋の中では、弱い筋肉になりますので、すぐに疲れてきます。
これを限界まで続けて、3セットくらい行います。
内側広筋を強化することによって、膝蓋骨が元の中央に戻されてきます。
すると今までは、絶対に出来なかった立った状態でのツイスト運動が、なんの不安もなく出来るようになっていました。
そうしたら、さらにゴムバンドで負荷をかけた状態でツイスト系のトレーニングも行いましす。
また、屈曲動作に伴う筋活動が不足している為に、臀筋群や大腿筋膜張筋なども硬くなっていたので、しっかりストレッチを指導しました。
実は、今まででしたら、こんなに膝関節を曲げた状態でストレッチをする事すら不可能だったそうです。
こうやってしっかりトレーニングを行うことで、徐々にですが、回復させる事が出来るのです。
同じような障害を持たれてる方に少しでも参考になれば幸いです。