変形性股関節症により歩行もままならなかった女性(70歳)との出会いがこの物語の始まりでした。
人工股関節手術をすべきと医師から告げられるも、医学に頼らず自らの力で克服し、一度は諦めかけていた夢、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼に挑戦することを決意。
その目標に向かって突き進む女性のドキュメントです。
前回の記事はコチラ
10月14日に万座合宿を敢行し、見事に熊四郎山登頂に成功した坂上さん。
「次は、高尾山しかないですね!」と新たな目標を定めました。
そして本日、高尾山にやって来ました!
空は曇天、なんとか降らないで欲しい!
AM10:15 スタート
今回、選んだコースは6号路。
ケーブルカーの清滝駅の脇道を歩き、登山口に向かいます。
登山口までは、舗装された道が続きます。
私たち一行の脇をケーブルカーが登っていきます!
ダメです!今日は乗りません!
私たちは足で登るのです!
紅葉が鮮やかな道なのですが、すでに風景を見る余裕がない感じです!
ちょっと心配!
ここが6号路の登山口です。
さぁ、頂上目指して頑張りましょう!
山奥へと足を踏み入れていく一行。
まだ、ポールにも慣れていない様子ですが、一歩一歩、前に進んでいます。
AM10:45
弘法大師ゆかりの岩屋大師を通過しました。
まだ序盤戦なのですが、かなり苦しそう。
薬王院の滝行にも使われる、びわ滝に到着しました。
写真を撮って一休み。
びわ滝を過ぎれば、最初の休憩地点までもう少しです。
頑張りましょう!
AM11:00
最初の休憩地点に到着しました。
おにぎりを食べてエネルギー補給。
ちょっと元気になりました。
このペースですと、次の休憩地点の大山橋まで45分くらい。
そして、大山橋から頂上までは、1時間くらいかかりそうです。
道もかなり歩きづらくなって来ました。
疲れてくると、石を一つ乗り越えるのも一苦労ですね。
坂上さん、景色を楽しむ余裕は全くありません。
時間はたっぷりあるのですが、雨が心配になって来ました。
時折、パラパラと大粒の雨が落ちて来ています。
もし、雨が強くなってきたら、今回は大山橋で引き返そうと思っていました。
こういう時の判断は本当に難しいです。
……が、
そんな心配をよそに、なんとか大山橋に到着しました。
AM11:50
2回目の休憩です。
ここで、だいたい半分登った事になります。
チョコレートの力も借りて、あと半分なら、なんとか行けそうなご様子でした!
実は皆さん、ここから先が本当に大変な事をご存知ないのです。(^^)
12番のチェックポイントを過ぎた辺りから、勾配が急になります。
樹木の根っこも、地面から縦横無尽に露出して、行く手を阻んできます。
捻挫しないように気を付けて下さい!
まるでハードルのような根っこにも負けず、足場を確認しながら、着実に登っていきました。
熊四郎山のように、頂上が肉眼で見えていると安心して登れるのですが、
ゴールが見えない登山は精神的に辛いですね。
ただ、進んで行くに連れて、ポールの使い方も上手になってきました。
辛いなりにも、障害のある右の股関節の使い方をしっかり意識しながら歩いていました。
雨も上がり、雲が切れて太陽の光が射し込んで、とても美しい光景になってきました。
ちょっと記念写真!
さらに一行は、上へ上へと向かっていきます。
【今回のベストショット】
この写真は、結構気に入ってますので、大きくします!(自己満足)
ホッとしたのも束の間。
さらに難所が、一行の前に現れました。
これは厳しい!
ここは、滑落事故の危険もある場所です。
慎重に行きましょう!
……っていうか、
6号路は健常者でもかなり厳しいコースなのに、障害を持たれている方にこのコースを選んだのは誰ですか?
は〜〜〜い! 私で〜〜〜す(^^)
今度は、川の上を歩く飛び石コースに出ました。
ここを登りきれば、頂上はもうすぐです。
かなり濡れているので、滑らないように注意が必要です。
かれこれ2時間半歩き続けているので、疲労が溜まり、かなり足取りが重くなってきました。
少し前から、「ゴールはもうすぐですよ!」と励ましているのですが、 すでに信じて貰えません。
湧き水です。
この水が小川を作り、やがて多摩川へと流れ込み東京湾に繋がるのです。
海の最初の一滴ですね。
さて、飛び石を抜けると、なだらかな道に出ます。
しばらくは、安心して歩けるコースになります。
「えっ???、しばらくは??」ですって?
そうなんです。
最後に悲しくなるような難所、延々と続く階段が現れるのです!
ここです。
見上げると悲しい気持ちになる、どこまでもどこまでも続く階段。
さぁ!
ここまで登って来た事を考えれば、登らない訳には参りません。
1ブロック登り切ると、14番目のチェックポイントがあります。
頂上はもうすぐです!
最後の力を振り絞って登りましょう!
それにしても、この階段、どこまで続くのでしょう?
気が遠くなるような長さです。
精神力が試されますね。
試練とは神が私達に与えて下さる愛なのです。
人は何故、階段を登るのか?
そこに階段があるから!
いよいよ階段の終わりが見えて来ました。
明けない夜はないのです!
そして、
最後の1段!
やりました〜〜〜!
PM12:55
無事に最後の難所を制覇。
お疲れ様でした〜〜。
ここが、頂上と言っても良いのですが、せっかくなので、少し休んだらこの先の展望台に行きましょう。
ここから5分くらい歩いた所に展望台があります。
PM13:15
展望台到着。
よく頑張りました!
ほぼ3時間、歩き続ける事が出来ましたね〜。
6号路は頂上まで3.3kmなのですが、山道ですし、道路を歩く3.3km とは全然違います。
坂上さんご夫妻に初めてお会いしたのが、昨年の12月。
その時は、まさか一年後に高尾山に登っているなんて想像もできませんでした。
それだけ股関節の状態も良くなかったのです。
人間、為せば成る!という事を改めて教えて頂きました。
今日は残念ながら富士山を見ることは出来なかったのですが、この風景もとても綺麗でした。
さて、来年また次のステップを考えて、サンティアゴ巡礼の夢に一歩でも近づけるよう頑張って行きたいと思います。
現在、
様々な障害や病気と闘っている方々が、
この記事により、少しでも勇気と元気、希望を持って下されば幸いです。